無料ブログ作成サービス JUGEM
←prev entry Top next entry→
成形条件クッション量と成形不良
プラスチック射出成形における成形条件にクッション量があります。
前回、サックバックに付いてコメントしましたので、今回はクッション量について
コメントします。【成形条件での不良改善にお役立て下さい】

【クッション量の注意点】
クッション量=【滞留樹脂】としての認識は少ない。
前の計量で熔融された樹脂が射出した後、クッション量としてノズル先端部に残る。
熔融後高い温度に滞留して、熱履歴を受ける為物性低下・変色・ガス等のトラブルの原因になっている場合が多い。
更にこの樹脂はスクリューによりかなり圧縮された(射出圧、保圧)経歴の持ち主です。

【クッション量で考えられる成形不良】
【大量の分解ガス発生】【低粘度化による糸引き・ハナタレ】
【物性低下による割れ・強度不足】【コールドスラッグ】【色むら】

【クッション量て何の為・・・】【クッション量の役割】
クッション量の役割として、【計量】【射出】【保圧】の3つの工程で重要な役割を果たしている。

【計量】計量のバラツキをクッション量で調整・補填。
【射出】充填樹脂量のバラツキを調整・補填。
【射出】充填完了時の衝撃緩和。言葉の通りクッションの役割。
【保圧】圧力を伝達する為の役割。

【計量】【射出】工程でのクッション量の役割は一般的に良く知られている。
【計量】【射出】工程の役割だけ見るとクッション量は多いほど良いのでは?
 と錯覚されやすい。
【保圧】工程でのクッション量の役割を解説しているケースは、あまり見られない。
【保圧】工程でのクッション量の役割は、圧力を保持・伝達する為の調整量
【クッション量】が必要になる。
クッション量が0の場合、成形機スクリューはそれ以上前進する事が出来ない。
当然、熔融樹脂に対して圧力を保持・伝達出来ない事になる。
【パスカルの原理】を応用すれば【保圧】に対してのクッション量の役割が理解出来やすいです。

【クッション量のメカニズムを理解して、最適な条件設定を・・・】

| haru | 成形技術 | comments(9) | trackbacks(0) |
Comment
2008/08/06 11:26 PM posted by: mame
はじめまして、射出成形を始めてまだ半年の初心者、mameです、よろしくお願いします。最近私の会社では不良対策の一つとして、クッション量を減らすようにしています。以前はどの製品でも20个らいは残ってました。しかし、オーバーパックが多発するなどトラブルが多いので、最近は150t機で約0.5mm、280t機で約2〜3mm、450tや650t機で約5mmにしています。上司曰く、「ゼロになることはないし、1mm以下でも保圧はかかる」そうです。実際どれくらいが最適なクッション量の目安になるのでしょうか?
2008/08/07 12:05 AM posted by: iwa
はじめまして、iwaと申します。

個人的にはmameさんの上司の方に賛成です。
クッションの役割は先にharuさんが解説された通りと思います。
大きくとる必要性は感じませんよね。

ゼロでは圧力が伝わりません。
ではどの程度か?

溶融樹脂密度を安定させれば、あとはコールドスラッグウェルの量がポイントだと思います。滞留樹脂でありストレスを受けたクッション分の樹脂は可能な限り製品部に入れたくないと考えれば、コールドスラッグウェルに
収まる分だけクッションはあっても良いと考えられます。

失礼ながら
始めて半年でこの質問!すごいですね。私は十数年この世界にいますが真剣に考えたのは結構最近なのですが......。


2008/08/07 1:32 PM posted by: haru
はじめまして、mameさん。
haruです。
iwaさんが回答されておられる様にクッション量とコールドスラッグウェルの関係性が基本になります。
圧力を伝達させる為にはクッション量は必要です。
パスカルの原理を検索して頂けるとわかりやすく図解で解説されております。
その原理を射出成形機シリンダー部と金型に置き換えて頂ければ圧力【射出圧】【保圧】【クッション量】のイメージがわかると思います。
クッション量が多い場合、滞留する樹脂が多いと言う事になります。
当然、大型成形になればなるほど冷却時間が長くなると思いますので、滞留している時間が長くなり樹脂は熱履歴を受け低粘度化。
成形不良で言うとバリ・オーバーパックになります。
不良対策にサックバック量を減らす事で熔融樹脂密度・粘度を安定させた事になります。
クッション量のバラツキ幅が小さく安定しているのでしたら今のままで良いと思います。
圧力を上げてクッション量が減った分だけ加算して下さい。

成形経験半年で、この様な疑問をお持ちだと言う事は非常に大事な事になります。
なぜ、クッション量が必要なのか?
どの様に圧力が伝達・保持するのか?
基礎を理解されれば成形が楽しくなってまいります。
何時でもご相談下さい。

2008/08/09 10:57 PM posted by: mame
はじめましてiwaさん、haruさん。返事が遅くなってすみません。クッション量は保圧を掛ける大事な役割がある反面、滞留樹脂として悪さをするという二面性があるんですね。うーん・・・恐るべし。射出成形は奥が深いですね。どこまでも潜って行きそうです。週明けに新しい金型の試作があるのでオーバーパックしないように頑張ります。また壁にぶち当たったら、相談させていただきます。ありがとうございました。
2008/08/14 5:09 PM posted by: haru
こんにちは、mameさん。
試作頑張って下さい。
シリンダー温度設定・サックバック・クッション量設定方法は、ブログ内に掲載しておりますので、一度お試し下さい。
成形条件面での成形不良改善です。
別件になりますが、ホットランナーについて質問がありましたので、回答させて頂きます。
ホットランナーは、クッション量と考えて下さい。
分解ガスの多い樹脂をホットランナー成形した場合、ガスが起因する成形不良が、多発致します。
ガス焼け・シルバー・フラッシュ・色ムラ等の成形不良が代表的です。
ご注意下さい。

2008/12/03 12:26 PM posted by: kinta
はじめまして、Kintaと申します。
このようなサイトに出会えて感動してます。みんな悩んでるのですね。自分だけじゃない事がわかり励まされました。
ところで、だいぶ日にちが経過している様で、申し訳ありませんが、クッション値のバラツキついてご存知の方、ご教授お願い致します。
成形機500ton、材質はPPの外観部品で成形自体は安定しているのですが、クッション値が2.5〜3.5程のバラツキがありす。
クッション値のバラツク主な原因はなんでしょうか?バラツキが少なければクッション値が1mm以下でも問題ないと考えておりますが、現在安全を見て2mm以上のクッション値を設定してます。
ある文献では『クッション値のバラツキは0.2舒焚爾望ましい』とありました。
尚、オペレーターの製品取り出し時間には関係なくばらついています。
どうぞ宜しくお願い致します。

 
2008/12/05 10:28 AM posted by: iwa
はにめまして、iwaと申します。

原因はいくつか考えられますが、機械的に問題ないとして進めます。
まずは樹脂に与える熱を考えて頂くと良いと思います。
熱を与えれば与える程、溶融粘度は下がり、ガスは発生します。全ての樹脂に同じ熱を同じ時間与えれば同じ粘度、同じ量のガスが発生する事になります。
基本はこの考え方になると思います。

まずは乾燥ですが、温度設定は変えないでしょうから乾燥機の仕込み量に注意です。
使用量1kg/Hで仕込み量25kgでは最初と最後では24Hの乾燥時間の差がでてしまいます。
溶融粘度は相当変わります。

次に、シリンダー温度設定ですがホッパー側の温度が高いと早く溶融が始まり、位置もバラツキます。スクリュの計量ゾーンでは溶融させずに圧縮ゾーンで溶融させるイメージです。いつも同じ位置で溶融させたいのです。
粉砕材を混合させている場合はこれを徹底させた方が良いでしょう。バージンより早く溶融が始まりますので、圧縮ゾーンのせん断熱で溶融させる考え方です。

スクリュ回転、背圧ですが、必要以上に早く回さない、背圧をかけ過ぎない事が重要です。過せん断で急激に温度が上昇しガス発生の元になります。ガスが大量に発生していては溶融密度が安定しません。

サックバックですが、可能な限り少なく、速度も遅くした方が良いでしょう。
多く、早く設定しますとエアを巻き込み、ノズル先端の樹脂が冷却されてしまいます。
これが射出時の流動抵抗になります。

又、計量後はノズルブレイクさせた方が良いです。これまた先端樹脂を冷却させてしまいます。

とりあえず、すぐ出来る事を書かせて頂きました。金型に手をいれる、又は設備にお金をかけるのはこの後で良いと思います。

私のところは100t以下の小型機ばかりですが
バラツキはレンジで0.05mm以下でないと不満です。
ちなみに、金型はホットランナーですか?
ホットですとコールドよりややバラツキは
大きくなりますね。


2008/12/05 7:55 PM posted by: haru
kintaさん、こんにちは。
iwaさん、いつもご協力頂き有難う御座います。haruです。

最近、成形不良改善の依頼が多くなり出張が長くなって回答が遅れ申し訳御座いません。

iwaさんが殆ど、回答して頂けましたので1度お試し下さい。
クッション値のバラツキは熔融密度の不均一が考えられます。

計量時間のバラツキは如何でしょうか?
計量時間がバラツクとせん断発熱等の掛かり方が変動致します。
シリンダー内で樹脂が熔融時水分・ガスが発生致します。
この時、発生した水分・ガスは熔融樹脂の中に混練されます。

例えば100g計量したと過程して、その中に数パーセント水分・ガスが混練されている場合、実際の熔融樹脂は100g以下になります。
それを補う為にクッション量が必要になります。
100g計量して100g熔融樹脂が出来れば、クッション量は安定する筈です。

もうひとつ考えなければいけないのが、熔融密度になります。

スクリューフライトの1溝1溝に安定して、樹脂が均一に供給されているかが問題になります。

例えば、1溝に10g樹脂が供給されたと仮定して、100g計量が必要な場合10溝必要になります。

安定的に供給出来れば計量時間も熔融密度も安定すると思いますが、粉砕材を使用した場合1溝に供給される樹脂量は不安定になる事が予想され1溝に7g次の溝には9g次に溝には、5gと言う供給されると100g計量するのに一体何溝必要かわからなくなってしまいます。

当然、計量時間のバラツキが予想できます。
密度もバラツキますので、背圧を掛けて安定させ様と背圧を上げると思います。

背圧を上げると密度は、安定する方向に向かいますがスクリューが後退しにくくなりますので、せん断発熱が過剰にかかり熔融時のガス発生は増える方向になります。

計量された熔融樹脂内に混練されるガスの割合が増えれば、そのガスが充填され外観不良【シルバー・フラッシュ・ガスヤケ等】の2次不良が考えられます。

iwaさんは、ブログ内に掲載されております最適シリンダー温度設定等をマスターされており、そこに今までの経験値を付け加えられて、独自の技術に進化されておられます。

iwaさんが、回答されておられます内容でご検討下さい。

kintaさん、わたしも現場で作業している時に多くの問題を抱えておりました。
誰に聞いたら良いのか?
どの様に勉強すれば問題解決【不良改善】出来るか?
日々、悩んでおりました。

その様な問題【不良改善】する為にこの様なサイト【ブログ】があれば助かると思い開設する運びになりましたので、頑張って下さい。

周りで困っている方がおられましたら助けてあげて下さい。

今後とも宜しくお願い致します。
2008/12/13 9:56 AM posted by: Kinta
バタバタしてお礼が遅くなりましたが、iwaさん、haruさん早速のご回答ありがとうございます。
おっしゃる通りです。背圧をかなり高めに設定しております。
とゆうのも、この製品はグレー色の外観部品なのですが、成形ロットで稀に
極小のスプレーの様な不良が発生しました。かなり小さく範囲も極小なのですが、グレーの製品に若干濃いグレー
の長さ2〜3mm以下、幅0.5mm以下の1本の線が、材料の流れる方向に発生。ライトの下でよく見ないと分からないレベルなのですが、外観部品の為NGとなるレベルです
材料の色粉とリグラインドの混ざりが足りないような印象でしたので、背圧を上げたところこの不良が一切でなくなり、安定して量産出来てますが、この対応で本当に正だったか?は自信はありません。
重ね重ね恐縮ですが、もしこの不良の正体と正規の解決方法をご存知でしたらご教授お願い致します。


name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://tecteq.jp/trackback/72