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『熱伝導性樹脂とは、』
 

『熱伝導性樹脂とは、』

 

従来のプラスチック樹脂は、低熱伝導性でナイロン(PA)でも熱伝導率が0.2M/m・k程度であることから熱伝導性が悪く蓄熱される事で、温度管理の必要な用途には普及されず、高い熱伝導性のアルミ(熱伝導率236M/m・k)が温度管理の必要な用途に使われてきた。

 

プラスチック樹脂も時代の進化に伴い飛躍的に性能が上がり、樹脂に各種フィラーを混合する事で、新たな樹脂特性を持たせる事が可能になった。

 

各種フィラーにより、高剛性・高耐熱・摺動性・導電性等を向上させる。

 

樹脂(ベースレジン)+各種フィラー=高機能樹脂

 

熱伝導性樹脂は、樹脂(低熱伝導性のベースレジン)に熱伝導性フィラーを混合する事で熱伝導性を持った高機能樹脂となり、フィラーの種類・フィラー添加量で様々な用途の熱伝導性樹脂を生み出す。

 

『熱可塑性樹脂の熱伝導率向上』

 

熱可塑性樹脂を高熱伝導化する事で、幾つかの懸念材料があり、熱伝導率と樹脂の流動性、それに伴う強度と絶縁性が懸念される。

 

単純に熱伝導率を上げれば良いと言う簡単な話ではなく、射出成形の場合、流動性と強度が重要であり、熱伝導率を上げても流動性が悪く、強度が不足すれば決して使用されない。

 

熱伝導率を上げると流動性が悪くなり、強度が弱くなり、絶縁性が悪くなると言う事では使えない。

 

当然、製品形状やゲートの種類・取り数にも制約が生まれ、製品設計上の自由度が損なわれる。

 

ベースレジンの樹脂が吸湿性であれば、吸湿対策を施す必要があり、ベースレジンが吸湿性でなくても熱伝導フィラーが吸湿性であれば、同様に吸湿対策を施す必要が出てきます。

 

熱伝導性フィラーの硬度により、スクリューの摩耗や金型の摩耗も懸念材料のひとつである。

 

成形不良としては、ウエルド・クラック・バリ・ショート・寸法安定性・ガス・金型メンテナンス・摩耗等、様々な成形不良が予想される。

 

近年、電気自動車の普及に伴い、モーターコイルや充電ユニットに熱伝導性樹脂を利用する動きが出ているが、これは今まで以上に昇温防止や温度管理が必要になってきているからである。

 

ただし、高い絶縁性能を必要としている部品が多く、熱伝導性フィラーを大量に混合すると絶縁性能が低下すると言う問題も抱えている。

 

熱伝導性樹脂は、今後のプラスチック射出成形業界の発展に置いても重要な素材のひとつでもあり、原料管理・生産設備・成形技術・金型技術を含む、良品量産安定化技術が必要となる。

 

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熱伝導性樹脂成形技術の確立 新素材への取り組み
 

『熱伝導性樹脂成形技術の確立』

 

近年、様々な製品で高機能化・高速化が求められ、小型化・軽量化が進められてきております。

 

高機能化・高速化の為の電子部品等の性能向上と電子部品等の小型化・軽量化は相反する為、性能向上における電子部品からの発熱対策が重要視されております。

 

従来の熱対策では、ヒートシンク等の冷却構造が必要となり、小型化・軽量化の足かせとなっております。

 

高機能化・高速化に伴う電子部品からの発熱と小型化・軽量化に伴う冷却構造の効率化を同時に実現するべく、熱伝導性樹脂に注目が集まっております。

 

一時、金属の樹脂化が話題となっておりましたが、金属に比べプラスチック原料は熱伝導率の悪さから、計量化は望めるが熱対策が必要となりクラック(割れ)やボイド・ヒケ・外観不良・寸法のバラツキ等のプラスチック樹脂成形独特の成形不良が発生し、不良率の高さから様々なトラブルが発生致しました。

 

原料メーカー各社から熱伝導グレートのプラスチック樹脂を販売されておりますが、熱伝導率・熱放熱率を向上させる為に添加しているものが、様々な成形不良を発生させるという懸念を考慮する必要があります。

 

熱伝導性樹脂により、製品性能は向上しても歩留りを含む量産性が確保出来なければ、量産現場では大変な事態が予測出来ます。

 

熱伝導性樹脂の良品量産を安定化する技術の確立が重要であり、原料管理技術・可塑化条件・射出条件・生産設備選定・金型技術のトータル技術の確立を目指す研究グループを発足させました。

 

成形不良の発生メカニズムを解明し、改善・対策してきた独自の理論により、原料管理・成形技術・金型技術・生産設備を使用して、様々な新素材に立ち向かって参ります。

 

熱伝導性樹脂成形に関して、今後報告させて頂きます。

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